当山の開創年代は、永正十五年(一五一八)となっている。川上郡誌、備中町史は何れもこの年代と記しているが、この年代の想定は、現阿弥陀堂内に懸けられている金銅製永正懸佛の裏面墨書に「博懸御生伐之事、永正十八年六月吉日敬白、御宝前、願主経貞」とあり、これに由来したものと思われる。従って当寺の開基も経貞(平川)とされ、備中町史もこの立場で年表に記している。
 なお、本尊の聖観世音菩薩立像は、平安末期の見事な藤原佛で、像高一六五・五センチ、肩張り三七センチの一木造り。両容、天衣などの彫りも深く、秘佛と  >続きを読む