昔、坪江の郷の領主小布施修理大輔にお笹という妾がいました。日頃からお殿様の寵愛を深く受けていましたが、内室はそれを快く思わず、嫉妬の心を燃やしておりました。
ある時内室は妬みのあまり、お笹が常々秘蔵していた鏡を盗み出し、大きな淵に投げ入れてしまいました。それを聞いたお笹は、大いに憤り「あの鏡は、我が家代々の家宝であるばかりか、母から譲られた形見の鏡。命に代えてでも探し出さずにはおくものか。」と、水底深い淵に飛び込むと、一念の怒りに因りたちまち大蛇に姿を変え、その淵に棲むこととなってしまいました  >続きを読む