■白山堂、霊峰泉、半杓橋、白山庭園
昭和62年、門前の山内洋子さんが長男の菩提を弔うために資金を提供され、面目を一新し整備されました(現住24世代)。
白山堂(約1㎡)は新田の製材業、阿部文一氏がこれに協賛し建立寄進されました。
■白山妙理大権現
寺伝では「中興開山笑室誾補大和尚が当寺入室の時に、山内擁護のため加賀の白山権現を移し勧請す」と伝えられます。
曹洞宗では、開祖の道元禅師が留学先の宋から帰朝する前夜に「白山妙理大権現が出現し、禅の法典「碧厳録」の筆写を助けてくれたので、一夜のうちに総てを書き写すことが出来た(一夜碧巌録)」と伝えられています。
禅師の開かれた大本山永平寺では、白山妙理大権現を鎮守とし、夏には修行僧が白山登山して奥宮に参詣しております。また修行に出る僧は振分荷物の袈裟行李に「白山妙理大権現、龍天護法大善神」の軸を納め所持して、居室に掛け守り本尊としております。
■龍天護法大善神
『千手観音経』に「龍天善神恒常に擁護す」と示され、仏法を守護する神さまで、龍部のもの達と、天部のもの達を合わせた呼称とされます。建撕記により「道元禅師が大仏寺(永平寺)の上棟式を行った時に、龍天が小雨・小風を起こした」と伝わり、宗門の僧は「白山妙理大権現、龍天護法大善神」と併記した〝龍天軸〟を所持し「修道無難、道念増長」を祈願しています。
当山では白山さまと一体として「白山堂」に合祀し、弁道修行の守護神としてお祀りしております。
■秋葉三尺坊大権現
遠州の袋井万松山可睡齋は如仲天誾禅師が開かれた宗門屈指の名刹で、境内に火防に威徳を放つ秋葉三尺坊大権現が祀られて信仰を集めています。
当山の秋葉三尺坊大権現は可睡齋から分霊したことが伝えられ、近年可睡齋から分霊寺院へ諸行事の案内を頂くようになって裏付けられました。
当山には葉山堂の所在が伝わりますが、堂名からして元々秋葉三尺坊大権現をお祀りしたお堂とも考えられます。現在は葉山堂は失われ、白山堂に合祀しております。
■薬師瑠璃光如来
寺伝では過去に「葉山堂」が所在していたことが伝わります。「6尺(2m)四面、宝形造り。本尊は薬師瑠璃光如来。元弘年中(1331-1333)天台宗の時、江州坂本比叡山守護の山王21社の本地仏を勧請す」と伝えられます。
薬師瑠璃光如来は(西方阿弥陀如来に対し)東方浄瑠璃世界の教主で「大医王仏」とも呼ばれ、広く人々の病気を治し延命にするだけでなく、精神的な苦痛までも取り除くと伝えられております。
当山の白山さまには、何時の頃からか「白山さま白山さま…どうぞ虫歯の痛いのを治して下さい」と普段食べている箸を供えて願掛けし、治ったなら柳の箸と交換してお礼参りする信仰があります。
これは、白山堂に合祀のお薬師さまの霊験なのでは…と思考されます(現住24世)。