広島市内のお寺です
  • 梅花講

宝林山 伝福寺

〒730-0046 広島県広島市中区昭和町9-3

沿革・年間行事

歴史や由緒

伝福寺は材木町(現在、平和記念公園内にある広島国際会議場周辺)に所在していましたが原爆投下により壊滅、昭和26年(1951年)に都市計画で現在地に移転しました。

その為、本尊仏を除く古文書等が全て焼失しており、創建年代等は不明ですが、本尊仏は慶長19年(1614年)の造像であり、開創もその頃ではないかと思われます。

開山は、幽屋宗玄大和尚(伝福寺二世)が師の広島国泰寺三世・十岫宗智大和尚(?〜1660年)を拝請したものと思われます。

開基は育翁養公座元です。


 

ご本尊

伝福寺の本尊仏の膝裏には巻子を巻いた軸が打ちつけてあり、この銘文の中には「もん志ゆ」と墨書で記されております。

また、左手に蓮華を持っていることから考えてみると、本仏像は文殊菩薩と考えることができます。




戦前の伝福寺は爆心地から500m以内という立地もあり、昭和20年8月6日の原爆投下にて焼失したかに思われていました。



しかし、当時の住職が8月4日の施食会を前に境内の防空壕に避難させていたことから難を逃れており、

戦後「木造菩薩坐像」として広島市の指定有形文化財に登録されております。

文殊菩薩

年間行事

■伝福寺年間行事

毎週火曜 19時〜 火曜坐禅会(8月除く)



毎月一回 智光会(勉強会)



毎年8月4日 山門施食会



伝福寺梅花講は現在、休講中です

文化財文化財

■木造菩薩坐像(広島市指定重要有形文化財)

当寺が所蔵する木造菩薩坐像は、その菩薩名を詳らかにすることはできませんが、頭に宝冠を載せ、左手には未開敷の蓮華を持つ姿は、一般的に古代インドの貴族階級の姿を基本にして、如来と違って持物やにぎやかな装身具をつけているものが多い菩薩の典型的な姿となっています。

なお、この像の膝裏には巻子を巻いた軸が打ちつけてあり、これには次のようなことが墨書で記されていました。



加うさい/みよせん

ちよめう/もん志ゆ

慶長拾九年/二月廿一日 西雲



この銘文の中の「もん志ゆ」と左手に蓮華を持っていることから考えてみると、本仏像は文殊菩薩とも考えることができます。

この仏像の高さは約26cmと小さなものですが、人名、造像年月日が明らかな点で価値が高く、仏像彫成年代の技法を知る上で貴重なものです。

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