■ナギの木
神の木といわれる 梛の木(ナギの木)
林陽寺の中庭に直径40センチ、幹周り100センチ程の「梛の木」の大木があります。「ナギの木」という名前を知ったのは、つい最近のことであり、以前から名称不明で多くの方に尋ねましたが分かりませんでした。私の師匠も知りませんでした。
「熊野速玉大社」にお参りしました。その時実生から出たての「ナギの木」の幼木が目に留まりました。尋ねてみるとこの神社の御神木が「梛(なぎ)の木」であることを知り、平重盛が植えたといわれる樹齢1,000年の天然記念物である「梛の巨木」、所謂、熊野信仰の象徴たる「梛の大樹」に巡り会いました。
縁結び、夫婦円満、厄除け、商売繁盛、交通安全、福運招来等、霊験新たかな御神木であることを知りました。熊野関係神社また奈良の春日神社に天然記念物の純林があります。
特徴は、その葉は、縦に細い平行脈が多数あって、主脈がありません。したがって、ナギの葉は縦には簡単に裂くことができますが、横には枯れ葉であってもなかなかちぎることができません。その丈夫さにあやかって男女の縁が切れないようにと女性が葉を鏡の裏に入れる習俗があったそうです。また、梛(なぎ)は海の凪(なぎ)に音が通じるところから航海の安全を願う信仰を集めてきた木でもあります。林陽寺の先住がそうした理由を知ってうえたのでしょう。「お守り」を造って知らしめています。