■上田秋成『雨月物語』「青頭巾」
華叟和尚の法嗣で大中寺開山となった快庵妙慶和尚は、上田秋成の『雨月物語』に「青頭巾」と題して登場する。あらすじは禅師が龍泰寺で修行をしてから行脚して下野の国に入った折、群主小山重長の菩提寺の住職が村里に下りて人と襲い、新墓をあばいて人の肉をを食べるという鬼になってしまった。何とかしてほしいという村人の願いで、その鬼を教化し退治したことにより、真言宗であったその寺を快庵和尚を請して開山とし、曹洞宗大中寺に改めたという内容である。『雨月物語』は快庵和尚亡き後266年後の出版であるが、原文を読む時、快庵和尚以後教線の地方発展を考える上で参考になる。