天狗と龍の伝説があるお寺
  • 梅花講

 祥雲山 龍泰寺

〒501-3217 岐阜県関市下有知5055-1

見どころ

観光名所観光名所

■上田秋成『雨月物語』「青頭巾」

 華叟和尚の法嗣で大中寺開山となった快庵妙慶和尚は、上田秋成の『雨月物語』に「青頭巾」と題して登場する。あらすじは禅師が龍泰寺で修行をしてから行脚して下野の国に入った折、群主小山重長の菩提寺の住職が村里に下りて人と襲い、新墓をあばいて人の肉をを食べるという鬼になってしまった。何とかしてほしいという村人の願いで、その鬼を教化し退治したことにより、真言宗であったその寺を快庵和尚を請して開山とし、曹洞宗大中寺に改めたという内容である。『雨月物語』は快庵和尚亡き後266年後の出版であるが、原文を読む時、快庵和尚以後教線の地方発展を考える上で参考になる。

■道了尊

 創建当時、快力を発揮して建立の手助けをしたといわれている道了大権現が祀られているが、これは道了様という寺男が、堂宇完成した時に、本堂天井にはりつき天狗となって飛び去ったという伝説に基づいており、今でも天井にその足跡が残されている。ロマンを求めて見学に訪れてくる人もあり、地元小学校の副読本にも登場する。道了様が常時寺を護ってくれるということから、監寺(かんす)という役職は当寺にはない。なお本寺は大雄山最乗寺であり、道了様のお寺として昔から有名である。最乗寺へは当寺の14人の歴住が輪番を務めており、道了尊信仰が取り入れられた一つの理由であろう。

花・庭・木花・庭・木

■竜ヶ池

 境内に竜ヶ池と呼ばれる池がある。この池には1匹の大きな竜が住みついていたという伝説がある。ある時、華叟和尚の所へ竜神が来参し、戒法を受けたいと申し出た。戒法を授けた所、竜神が再び来て言うには、師の法力によって鱗族を脱し、天に生ずることができたので、長く護法神となって龍泰寺を護ることを誓ったという説や農民が日照りの際に雨乞いをしたという説がある。龍泰寺という寺号の由来や、この地の字名を今でも竜ヶ池ということからも興味がある。この竜は死んだ後もその骨が手厚く箱の中に保存され、竜神様として今でも祀られており、住職以外はこの中を見てはいけないというお墨付きと共に固く封印されている。

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